こんにちは。昨年6月末で定年退職を迎えた独身男性です。
今回は一穂ミチさんの「ツミデミック」を読んだ感想です。見事今年の直木賞を受賞した話題の作品ですね。
どんな内容?
タイトルの「ツミデミック」は、「犯罪×パンデミック」ということを表していて、コロナ禍が舞台の犯罪をテーマとした6つの物語からなる短編集となっています。
短編集なのでサクサク読めますね。
それぞれどんなお話かというと・・・
違う羽の鳥
客引きのバイト中の優斗に、ふと話しかけてきた怪しげな女。彼女は「井上なぎさ」と名乗るが、それは中学時代に自殺した同級生の名前だった。
ロマンス☆
夫から仕事をするよう責められ続けている専業主婦の百合。ある日デリバリーのイケメン配達員に心を奪われ、彼に再会するためにデリバリーにはまっていくが・・・。
憐光
15年前の豪雨で死んだ唯。幽霊となって彷徨いながら高校時代の恩師や親友に出くわしていくうちに、自分の死の真相や彼らの本当の思いを知ることに。
特別縁故者
コロナ禍で職を失った恭一。息子が近所の老人から旧1万円札をもらったことをきっかけに、恭一と老人と奇妙な交流が始まる。
祝福の歌
印刷工場で働く達郎は、高校生の娘の妊娠に頭を悩ます日々。そんな中、マンションで1人暮らしをする母から、隣人の様子がおかしいとの話を聞くが・・・
さざなみドライブ
SNSで知り合った年齢も性別もバラバラな5人の自殺志願者達。一緒に練炭自殺をするために車で予定の場所へ到着してみると、そこには先客がいて・・・。
ちなみに、6つの短編はそれぞれ完全に独立していて、リンクする部分はありません。
感想など
ここが良かった
どの話も衝撃の展開、驚きの展開が待っています。
読んでいて、え?どういうこと?そうきたか!という瞬間が訪れて、そこがこの小説の面白さだと感じました。
また、文章力・表現力がよく、先の展開が気になって興味を引かれるような話の進め方も上手いと思いました。
6つの短編の中では「特別縁故者」が良かったです。無愛想で頑固者の老人と、調子がいいけど下心もある恭一の交流が面白かったですね。
ここはちょっと・・・
とにかく全体的にダーク。
犯罪がテーマの作品なので仕方ない面はありますが、特に前半の3つはホラーのようで私にはちょっと合いませんでした。
こんな話が続くのか?とちょっと不安になりましたが、後半にいくとややダーク感は和らいでいって少しホッとしましたけど。
満足度
ということで、満足度は☆5点満点で
☆3つ
としておきます。
ホラー系が好きな方なら評価はもっと高いかもしれません。
文章表現や展開の仕方はかなり良いので、私としては違うテーマの作品を読んでみたいです。
(参考)
・☆1 ・・・(無言)
・☆2 いまいち
・☆3 可も無く不可も無し
・☆4 これはオススメ
・☆5 最高!文句なし!
それではまた。
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