独身男が定年退職となりました

何のビジョンもないまま定年退職を迎えたシングルオヤジの日記です。

「コメンテーター」(著:奥田英朗)を読んでみた。

こんにちは。6月末で定年退職を迎えた独身男性です。
奥田英朗さんの「コメンテーター」を読みました。相変わらずの面白さでたくさん笑わせてもらいました。

この本は、トンデモ精神科医伊良部一郎が主人公の大ヒットシリーズの最新作。このシリーズはこれまで「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」「町長選挙」の3冊が出ていましたが、今年の5月に17年ぶりに「コメンテーター」が出版されました。

日頃からあまり本を読まない私ですが、「イン・ザ・プール」を読んでその面白さに引き込まれ、以来、伊良部シリーズを順に読んできました。

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このシリーズは、とにかく伊良部先生の言動が常識はずれで、わがままで、やりたい放題。でもなぜか患者の心の病が快方へ向かっていくという・・・そんなお話が描かれています。

最新作の「コメンテーター」は5つの話の短編集で、患者側の目線で書かれています。
表題作となっている「コメンテーター」は、コロナ禍の真っ只中、ひょんなことから伊良部先生がテレビのワイドショー番組のコメンテーターに抜擢されるお話で、好き勝手な意見を言う伊良部先生に現場のテレビ局は大混乱となるも、視聴者には大ウケで視聴率は急上昇・・・というもの。
テレビ出演に浮かれる伊良部先生はまるで子供で、あたふたするテレビ関係者とのギャップが面白いです。

その他の4編にも、さまざまな精神疾患をかかえた患者達が伊良部先生のもとへと訪れてきます。その患者達とは、

  • 言いたいことが言えず、我慢していると過呼吸発作を起こすサラリーマン
  • デイトレーダーとして2年で10億稼ぐも、株の事しか考えないひきこもり生活でパニック障害となってしまった青年
  • 新幹線の中やコンサート会場など、1つの場所に長時間閉じ込められる状況になると耐えきれなくなる「広場恐怖症」の女性ピアニスト
  • 地方出身で都会の大学に通うも、コロナ禍でリモート授業を受けているうちに対人恐怖症となってしまった大学生

といった面々。
本気で悩む患者たちに「真面目だね~。じゃあ、こんな風にしてみたら?」と言って「行動療法」と称して次々ととんでもないことをやらせる伊良部先生。時には法からハミ出るような提案もしますが、全く意に介さず呑気に構えて一緒になって楽しんでいます。それがなんとも痛快で、こちらの気持ちもふわ~っと軽くなっていきます。
患者達の心が少しずつほぐれていくのもホッコリしますね。

「コメンテータ」は前作から17年経っていて、作品の時代背景も時間が経過しています(コロナ禍を描くなど)。ただ、伊良部先生は相変わらず中年医師ですし、看護師のマユミちゃんも「若い」看護師として登場していて、歳をとっていないように思えました。サザエさん方式ですね。
あと、過去の作品で患者として出てきた人物が再登場してきたのも個人的にはよかったです。

最新作もとにかく面白くて、声を出して笑ってしまいました。外出先で読むときには注意が必要です。

それではまた。

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