こんにちは。6月末で定年退職を迎えた独身男性です。
昨日は渋谷で行われた竜王戦第1局 藤井聡太竜王vs伊藤匠七段の大盤解説会に行ってきました。
今回の竜王戦は、藤井竜王にとって初めて同年代（正確には3ヶ月年下）の挑戦者を迎えるタイトル戦で注目しています。伊藤七段はプロ入りしてからまだ3年ですが、各棋戦で勝ちまくっていて、2年目には藤井竜王を抑えて年間最高勝率賞に輝いた注目の若手棋士です。
会場は、渋谷セルリアンタワー東急ホテル。過去最大規模の約700人もの将棋ファンが詰めかけ、大盛況でした。
今回の解説会のメイン解説者は渡辺明九段。タイトル獲得31期は歴代4位という言わずと知れた超一流棋士です。
その他にも本局の立会人である佐藤康光九段と戸部誠七段が登壇しました。
そして聞き手は室谷由紀女流三段と飯野愛女流初段。
私は渡辺九段の解説が大好きで、今回この解説目当てに参加したと言っても過言ではありません。ズバズバと歯に衣着せぬ物言いで、本音をストレートに話すのが小気味よくて面白い。この日も渡辺節全開で会場は爆笑の連続、大盛り上がりでした。
例えば、終局後に両対局者が大盤解説会場に挨拶に来ることに触れ、
「オレはインタビューするのは嫌だから。室谷さんやってね。」
と聞き手の室谷女流三段に無茶ぶり。
「え～っ！」という室谷氏の反応にもお構いなしにインタビューの事前レクチャーを始めます。
- 質問は「今日の対局の感想」と「次局への抱負」の2つだけでいい。ごちゃごちゃ聞くな。
- できるだけ暗い雰囲気で。明るく軽い感じで「お疲れさまでしたー❤」とか言われるとイラッとする。
- 「素晴らしい熱戦でしたね」などと適当なことは言わないこと。負けた方は不本意な一局と思っているかもしれない。そんな時に「熱戦」などと言われると腹が立つ。
などなど。
挙げ句の果てには「じゃあ、ちょっと練習しておこう」と言って、室谷女流三段にリハーサルをやらせます。
「だめだめ、まだ明るい。もっと暗く！」「もう少し！」
などと厳しい指導が繰り広げられました。
ただ、面白おかしくしてはいますが、負けた棋士を思いやってのことなのがわかります。
対局の方は82手で藤井竜王の快勝。伊藤七段は初めてのタイトル戦で少し力を発揮できなかった印象でした。
その後、予定通り両対局者が大盤解説会場に登場し、大きな拍手で迎えられました。
事前の練習の通り、室谷女流三段がトーンを落とした暗い雰囲気で2つだけ質問をしましたが、この間渡辺九段は完全に気配を消して一言も発せずww。
やがてインタビューが終わって両対局者が退場したとたん、堰を切ったように渡辺九段のしゃべくりが復活しました。
「伊藤七段が『途中から一方的になってしまった』と言ってたよね。だから大熱戦などと言わなくて良かっただろ？」
と自分のレクチャーを自画自賛、会場は大爆笑に。でも本当にその通りだと思いました。さすが渡辺九段。
ということで、とても楽しい期待通りの解説会でした。自宅のある北陸から東京まで来た甲斐がありましたね。次局以降も熱戦を期待しています（この「熱戦」の使い方はOKのハズ）。
それではまた。
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