独身男が定年退職となりました

何のビジョンもないまま定年退職を迎えたシングルオヤジの日記です。

「成瀬は信じた道をいく」(著:宮島未奈)を読んでみた。

こんにちは。昨年6月末で定年退職を迎えた独身男性です。
今回は宮島未奈さんの「成瀬は信じた道をいく」を読んだ感想です。先日このブログでも紹介した今年の本屋大賞作品「成瀬は天下を取りにいく」の続編ですね。

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自分の思ったことを全くブレずに突き進んでいく主人公「成瀬あかり」の姿を描いた連作短編集の第2弾です。

今作のお話

前作は成瀬の中学2年生~高校3年生の夏までが描かれていましたが、今作ではその後の成瀬が描かれています。
成瀬に関わる新たなキャラクターが登場し、それぞれの視点で成瀬のエピソードが語られていきます。その新キャラ達とは、

成瀬と親友島崎の漫才コンビ「ゼゼカラ」ファンの小学生、成瀬の進学に気を揉む成瀬父、スーパーの些細なことにも文句を言わずにいられないクレーマー気質の主婦、びわ湖大津観光大使として成瀬とコンビを組む女子大生・・・etc。

そして最後にはちょっとした事件(?)が勃発し、前作でも登場した親友島崎みゆきの視点で、新キャラみんなを巻き込みながら話が展開していきます。

感想など

映画でもドラマでも、続編は1作目をなかなか超えられないものですが、今作は違った!あの超面白かった前作を超えてます!成瀬ワールドをさらに堪能することができました。

タイトル通り信じた道を突き進んでいく成瀬は、人目を気にしたり場の空気を読んだりすることはありません。それ故、その言動は破天荒で、魅力的で、時にユーモラスだったりします。

そんな成瀬は、世間的には「変わり者」なのでしょうが、言動の根底には正義感、地元愛、人間愛などがあって、一本筋が通っているのです。そして何より一生懸命!
周囲の人達も最初は成瀬を奇異な目で見てしまいますが、次第に成瀬の本質を理解し、その魅力に惹かれ、気が付けば成瀬のことが大好きになっているのです。

そんな成瀬を表した部分の引用をひとつ。
ゼゼカラファンの小学生から「成瀬さんは将来何になるの?」と聞かれた時のこと。

先のことはわからないからなんとも言えないが・・・。何になるかより、何をやるかの方が大事だと思っている。たとえばわたしはパトロールを好きでやっているが、警察官になりたいとは思っていない。会社員になったとしても、パトロールはできるだろう。だからわたしが何になるかは未定だが、地域に貢献したいとか、人の役に立ちたいとは思っている。

惚れた・・・。わたしは成瀬に惚れました。
ただし、この「惚れた」は所謂恋愛感情ではなく「男が男に惚れる」感情に近いです(成瀬は女だけど)。これほど魅力的な主人公が、いまだかつていただろうか・・・。
何度でも読み直したい作品です。

それではまた。

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